フーリエ空間イメージングの原理は,近軸近似(paraxial, Gaussian Optics)の下で,簡単な光線追跡で説明できます.焦点距離 f のレンズに対して,中学校で習う近軸光線の基本的なルール(レンズの焦点を通る光線は光軸に平行に進む,光軸に平行に入射した光は焦点を通る,レンズの中心を通る光は直進する,等)を下に,左側焦点に配置された物体(矢印)から出た光の光線を作図すると以下のようになります.
この作用がレンズのフーリエ変換作用と呼ばれる理由は,射出された光の波数ベクトルを考えるとよくわかります.以下のように,座標軸を取り,射出された光の波数ベクトルを k とすると,面内ベクトル kxは |k|sinθ で表されます.従って,後方焦点面での結像位置 r = f sinθ は,実空間における面内波数に比例する物理量となります.すなわち,位置情報が空間周波数に変換されており,フーリエ変換に相当することがわかります.定量的には,光学の教科書を参照されるとよいと思います.